デパネリング方式のコスト比較
ユーザーはプリント基板の分割方法を幅広い加工法から選択できます。レーザー加工以外にもフライス加工や打ち抜きといった機械加工方法があり、これらは加工コスト、品質、加工時間の面が異なります。プリント基板の適切なデパネリング加工法を確実に選択できるよう、加工法の検討時には複数の要因を考慮する必要があります。考慮すべき要因として、以下が挙げられます。
- 投資コスト
- 価格性能比
- 付随コスト(廃棄や不具合対応にかかるコスト)
- 持続可能性、資源効率
- その他
コストパフォーマンスの向上
多くの人々は、レーザー加工によるデパネリングが高額な手法であり、機械的分割方法では設計面の高い要求を満たせず、繊細な電子部品に影響を与えない場合しか採用できないと考えています。
この数年で、主要ハードウェアの性能が大きく向上し、そのコストが大幅に低下したことで、今では最新のレーザーデパネリングシステムの価格性能比が従来のルーター加工機を上回っています。LPKFレーザーデパネリング機のコストパフォーマンスは、過去10年以内で約10倍に向上している一方、従来型の機械式システムの価格性能比はほとんど変わっていません。
以前は、フレキシブル基板のデパネリングをレーザーで行う場合のみ、経済的メリットがありました。この数年で、リジッド基板のレーザーデパネリングでも経済的メリットが出てきており、今後も費用対効果が高まると見られます。
ランニングコストの検討
意思決定に携わる多くの方々にとって、初期投資コストと装置のパフォーマンスは大きな要素です。これは、デパネリングシステム購入時に考慮すべき要素ですが、これだけを考慮すればよいわけではありません。システムの運用保守、消耗工具の購入のほか、機械式デパネリングの実施時の各PCBの粉塵除去など、デパネリング後の作業にかかるランニングコストは見逃されがちです。レーザー方式では、消耗する高額なルータービットもダイサーブレードも必要ありません。粉塵も発生しないため、これを除去する必要も(また、吸い込んでしまうことも)ありません。
レーザーデパネリングは、特にランニングコストの点で大変魅力的なソリューションです。レーザーデパネリングでは切断時に基板に余計なストレスがかからないことから、機械式分割方法に比べて製品の歩留まりが大幅に高くなります。非接触式で粉塵が生じないため、機械式分割工程中にかかる機械ストレスまたは粉塵の堆積により生じる電子部品とPCB自体の損傷を完全に防止できます。
また、各基板の周囲に事前加工されたルーター加工によって無駄になっていたスペースが利用できるようになりました。ミクロン単位でレーザービームを使用することにより、プリルーティングが必要なくなることで各PCBを近付けることができ、同じパネル上のPCB数を増やすことができます。このメリットは特にパネル面積のうち、ルーティングスペースの割合が大きくなる小型PCBを搭載したパネルにあてはまります。原材料の消費量が減り、廃棄物の量を削減できることは、材料コスト削減だけでなく、環境にとっても大きなメリットとなります。
持続可能性と効率的な資源活用
レーザーデパネリングのスタンダード
LPKFは、CuttingMaster新シリーズによって、レーザーデパネリングの新たなスタンダードを定め、お客様にかつてないほどの価格性能比をご提案します。CuttingMasterシリーズにはお客様のニーズに対応した異なるレーザーソースを搭載でき、スタンドアローンタイプとインラインタイプをご利用いただけます。